あらすじ
「お前も、どうせ俺みたいになるさ……」
小説を書けずに悩む高校生・伊達夏樹は、ある日、“書けなかった未来の自分”と出会う。
諦め切った目で語られるのは、何も選ばなかった末路。
その言葉は、夏樹の心に深く突き刺さったまま消えなかった。
現実に戻った夏樹を待っていたのは、優しさと期待で彼を縛る先輩の存在。
「君なら書ける」と言われるほど、逃げ場はなくなっていく。
書かなければならない。
それでも、完璧を求めるほど、何も書けなくなる――。
そんな追い詰められた日常の中、
夏樹は屋上で一人の先輩と出会う。
不器用で、少し芝居がかっていて、それでも「完成させること」を肯定してくれる存在。
未来に否定され、現在に縛られながら、夏樹は問い続ける。
――書くことは、救いなのか。
――それとも、逃げ場のない呪いなのか。
これは、
“書けなかった未来”をまだ確定させないために、一人の少年が「物語の途中」に踏みとどまる物語。