あらすじ
「英雄なんて、あとから歴史書が勝手に作るものですよ」
星々を結ぶ「星環連邦」と、血統と貴族が支配する「天宙帝国」。
数百年にわたる銀河戦争のただ中で、カミシロ・アツシは連邦宇宙軍のしがない参謀として、辺境宙域に左遷されていた。
階級は中堅、権限はわずか。
しかし頭脳だけは、一個艦隊にも、一個国家にも匹敵する。
歴史・戦略・補給・政治――戦場の裏側をすべて計算に入れた彼の作戦は、
「偶然の勝利」「現場の幸運」として片づけられながらも、じわじわと銀河の勢力図を書き換えていく。
無謀な作戦を押しつける上官、癖の強すぎる部下たち、
利権と保身しか見ていない議会、そして帝国側に現れつつある若き天才提督。
「正面からぶつかれば、連邦は負けます。
だったら、正面以外をぜんぶ使えばいい」
辺境会戦での“ありえない”勝ち残り、
寄せ集めから始まる独立艦隊、
落とせないはずの要塞攻略――
カミシロ・アツシは、英雄になるつもりはない。
それでも彼は、部下と友を守るために、
星環の戦史に「無冠の軍略士」として名を刻んでいく。
銀河規模のスペースオペラ&軍事戦記。
一人の天才参謀が、腐敗した大国を内側から“成り上がり”ながら、
帝国と連邦、そのどちらも欺いていく物語。