あらすじ
歴史の裏には、いつも女がいる。董卓暗殺の裏にも、ひとりの女がいた――貂蝉である。
「男として生まれたかった」
それは、後漢末(三国志の世)に傾国の美女と讃えられた少女の、ただ一つの願いだった。
皇帝の后候補として司徒・王允に育てられた彼女が差し出された先は、暴君・董卓の寝所。
慰み者としてしか扱われない日々の中、貂蝉はいつか幸せな未来が訪れると信じ、そのかすかな希望だけを支えに耐え続けてきた。
そんな彼女の仮面の奥を見抜き、「人」として名を呼んでくれた男がいた。
天下無双と謳われる武将・呂布――董卓の義子にして、その矛をふるう若き猛将である。
主君か、恋か。
国か、自分のささやかな幸せか。
後世、「美女連環の計」の名で語られることになる女・貂蝉が、
自分の恋と誇りを選び取ろうともがく、中華歴史ロマンス。
※残酷な出来事や性を連想させる表現を含みます(R15程度)。