あらすじ
蜘蛛の巣だらけの賽銭箱、参拝者なんて何年も来ていない。そんな寂れた狭見神社に祀られているのは、縁切りの神『タチ』。錆びた鋏を腰に提げ、人と人を繋ぐ「縁」を断ち切ることを生業にしている。
相棒は『バク』と名乗る黒い毛玉。人間のドロドロした執着を「珍味」と呼んで喰らう、やかましい居候だ。
腐った縁の臭いを嗅ぎつけては街を歩き、ストーカーじみた執着や歪んだ未練が生み出す化け物を、鋏で切ってバクに喰わせる。報酬は感謝の念が形になった五円玉。今日の晩飯はようやく具なしの味噌汁からおにぎり一個にランクアップだ。
貧乏神社の縁切り稼業、本日も営業中。