あらすじ
「また嫌われちゃった。」
彼氏の未読、家族からの着信、どこにも居場所がないような息苦しさ。
連休の朝、鈴音は窓を開け放ち、吹き込んだ風に導かれるように、ある寺の写真に目をとめる。
‹晴空寺›——見知らぬはずなのに、なぜか懐かしい名前。
ふらりと訪れた山里で、鈴音は一人の青年と出会う。
鈴を身につけた、どこか今にも消えてしまいそうな瞳をした男性、天晴。
ふたりが言葉を交わすたび、
記憶の底で眠っていた「誰か」の気配が、静かに目を覚ましていく。
遠い戦時下で途切れた想いが、
現代を生きるふたりを通して、もう一度形を変えて鳴り響く。
あの空の続きは、いまここにある——
『晴れの日 鈴なり』、始まりの物語。