あらすじ

深夜の駅前広場にそびえる巨大な大時計。 それは時刻を知らせるためのものではなく、都市に暮らす人々の「生体リズム」を強制的に揃え、余った「寿命(時間)」を街の動力源として徴収するための調律装置だ。 第三区域だけ「老けるのが早い」という苦情が相次ぎ、施設管理局の保守員コンビ――自分の腕時計を決して見ない先輩と、大時計の前に立つだけで心臓を針に合わせられてしまう後輩の「私」が、原因調査に向かう。 時計塔内部で彼らが見つけたのは、長針の歯車に噛み込んだ、しわくちゃに干からびた人間の腕。 それは、自分だけ時間をケチろうとして、都市にすべてを吸い尽くされた「遅刻魔」の成れの果てだった。 詰まりを除去した瞬間、溜め込まれていた時間が一気に暴走する。 髪が抜け、爪が伸び、作業着が風化していく中で、後輩は気づく―― 「カチコチ」という時計の音を聞くたびに、誰かの寿命は物理的に削られているのだ、と。

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カクヨム
カクヨム2025/11/27
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