あらすじ
文学部で日本文学と民俗学を学ぶ大学二年神谷遥斗の趣味は、一人で神社仏閣を巡り、御朱印帳を埋めていくこと。
都内のとある区を「御朱印コンプリート」した帰り道、
遥斗は地図アプリに突然現れた、見知らぬ小さな古社「狭間神社」の表示に気づく。
「こんな神社、あったか?」という違和感を抱きながらも、好奇心に負けて足を運んだ彼は、白髪の老神主から御朱印を受けた瞬間、世界の“色”が反転するのを目にする。
気づけばそこは、夜の闇と篝火に照らされた、平安風の社殿。
妖がうごめく結界外の神域で、遥斗は陰陽寮所属の陰陽師見習い・朝比奈千景に保護される。
この世界・神州では、かつて神々と人の契約を記した聖なる帳面「御印録」が失われ、「神割れ」と呼ばれる大災厄以来、結界は継ぎ接ぎのまま。
だが遥斗が趣味で集めてきた“ただの御朱印帳”は、こちらの者には失われた御印録そのものに見え、その力で禍々しき影の群れさえ退けてしまう。
迷い人として紫の都・紫都へと連行される遥斗は、
陰陽寮や都の大社、貴族たちの思惑に巻き込まれながら、
自分だけが扱える御朱印=御印録の力を解き明かしていくことに。
現代の御朱印と、異世界の神々の“裏の顔”はどうつながっているのか。
神々と人の契りを引き裂いた「神割れ」とは何か。
そして遥斗は元の世界に帰れるのか、それともこの世界で生きる道を選ぶのか。
夜は妖がうごめき、昼は雅な貴族文化が花開く平安異世界の都を、
一冊の御朱印帳とともに巡る、和風異世界ファンタジー。