あらすじ
1988年の京都。鴨川デルタから始まる、少し不思議であたたかな青春物語。
冬の軽井沢。同志社大のハルヒトは、蕎麦屋で働く小柄な少女・舞子と出会う。
数日後、京都のアパートに戻ると、玄関先で寒さに震えて座り込む舞子がいた。
「来ちゃった。」
そう告げる彼女を放っておけず、二人の奇妙な下宿生活が始まる。
天真爛漫で、時々どこかが抜け落ちているようで、それでも目が離せない舞子。
銭湯の湯気、北白川のラーメン、百万遍のたこ焼き、北大路のハンバーグ。
祇園祭、五山の送り火、大晦日の八坂神社──京都の匂いと四季の気配とともに、二人の距離は少しずつ変わっていく。
恋とも友情ともつかない、あの季節だけに宿る特別な温度をまとって。
昭和末期の京都の風景と日常を丁寧に重ねながら、人物の魅力が物語を牽引する、少しノスタルジックで、やさしい青春ストーリーです。