あらすじ
大学生アキトは、アダルト業界の最終面接に落ちた。
理由はただ一つ。
「演出がないと立たない」
という、奇妙な体質のせいだ。
光、影、構図、意味。
“画”として整わないと興奮できない。
落ち込んで帰る途中、気づけば異世界の森で倒れていたアキトは、
小鬼に襲われる少女・ミアを救い出す。
しかしこの世界には、演出という概念そのものが存在しなかった。
娼館はあるのに、
“魅せる”という文化も、
“表現する”という考え方も、誰一人持っていない。
そんな世界でミアと二人きりになっても、
アキトの体質はまったく噛み合わず反応できない。
「……やっぱり、私じゃダメなんでしょうか……」
涙を浮かべるミアに、アキトは叫ぶ。
「違う!
ミアが悪いんじゃない。
この世界に“演出”がないだけだ!」
魔物を映像で止めてしまう不可思議なカメラ。
そして、演出だけが性の基準になる異常な感性。
アキトは決意する。
「演出がないなら、俺が作る。
異世界に“文化”を創るんだ。」
価値観が欠けた世界で、たった一人だけ“演出”を知る青年が、
対立の中で文化を立ち上げていく物語が始まる。