あらすじ
ある朝、世界から「あ」の音が消滅した。 テレビのアナウンサーは「お、よーございます」と噛みまくり、母は「お、ん(お母さん)」としか言えない。
そんな大混乱の中、僕は絶望していた。 なぜなら今日、片思いの相手「彩花(あやか)」に告白するつもりだったからだ!
彼女の名前も呼べない。「愛(あい)してる」も言えない。「あなた」も言えない。 「あ」のつく言葉が封じられた世界で、僕は必死に残された音(イ・ウ・エ・オ)を探す。
そこで気づいた。 飾った言葉は消えてしまったけれど、もっと原始的で、もっと強い「あの言葉」は残っていることに。
言葉が不自由になったからこそ、本当の想いが届く。 わずか数分で読める、言語学的ショート・ラブコメディ。