あらすじ
宇宙には、星の死を看取る者がいる。
星喰い——死にゆく恒星の光を食べ、その命を新たな星の種として還す存在。彼らは宇宙の葬送者であり、産婆であり、誰にも感謝されることのない孤独な旅人。
ルーチェは、そんな星喰いの少女。
しかし彼女には「欠陥」があった。食べた星に住んでいた者たちのことを、考えてしまう。感じてしまう。問うてしまう。
それは星喰いにとって重大な欠陥だった。
辺境の星系カリス。
死期の迫った太陽を食べるために降り立った惑星で、ルーチェは一人の少年と出会う。
イオ。
滅びゆく星に、たった一人で残った少年。
「なぜ逃げない」
「誰かが見届けなきゃいけない気がしたんだ」
花を守り、星を看取るために残った少年。
星を食べることの意味を探し続ける少女。
二人が過ごした時間は、宇宙の尺度ではほんの瞬きほどの短さ。
しかし、その瞬きの中に——永遠があった。
終わりは、始まり。記憶は、種になる。
これは、星喰いの少女が「食べる」ことの意味を知るまでの物語。