あらすじ
侍女に声を奪われ、身分を入れ替えられ、愛馬を殺された。
隣国の皇太子に嫁ぐはずだった王女リリアーナは、偽物の「姫」に成り代わった侍女マリエッタによって、魔獣だらけの厩舎へ捨てられる。声を出せば死ぬ呪い。誰の記憶にも残らない呪い。彼女の計画では、王女リリアーナは魔獣に噛み殺されて「事故死」するはずだった。
――残念。私は『獣語りの姫』なので。
凶暴な魔獣たちは王女リリアーナに懐き、殺された愛馬は霊体となって傍に残った。厩舎に現れた皇太子殿下は、偽物の姫より「薄汚い魔獣番」を気に入ったらしい。
やがて訪れる婚約披露宴。偽姫は高らかに宣言する。「身分を偽る罪人は、釘を打った樽に入れて転がすべきですわ!」
――ええ、そうしましょう。あなたを転がして差し上げますわ。