あらすじ
志賀 中也、三十七歳。七回も文壇の栄誉を逃した不遇の純文学作家である彼は、突然、中世の異世界へと転移する。そこで彼に与えられた技能は、『紙』と『筆』という、国王に「無能者」と罵倒されてしまった。
中也は即座に追放され、異世界を彷徨う。そして、彼の筆に秘められた真の力が覚醒する。それは、この世界のあらゆるモンスターなどが抱えている「悩み」を、解決する力であった。しかし、中也はこの力に気づいてはいない。
平和を希求するがゆえに飢えるコボルト、種の文化差による構造的過重労働に囚われたオーク――。
中也は、これらの悩みを「極上の主題」と捉え、物語として執筆しようとする。
そして、執筆すると、何かが起きる。