あらすじ

深夜の駅ビル。 公衆トイレの鏡を拭くだけの、ありふれた清掃業務。 それが“データの回収作業”だと知ったとき、世界は裏返る。 この都市に設置された無数の鏡は、身だしなみのための鏡ではない。 人の記憶と生体情報を同期・保存するための装置だ。 新人清掃員の「俺」は、落ちない汚れを削り取る作業中、自分の“顔の皮膜”のようなものを剥がしてしまう。 そして鏡の中の自分は、こちらよりも高精細に、鮮やかに存在し始める――。 鏡に映るのは幽霊ではない。 恐怖の正体は、どちらが“本体”か分からなくなる自己認識の崩壊だ。 日常に溶け込んだ装置が、静かに人間を更新していく。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2025/11/26
  • 現在の作品焼き付き