あらすじ
兄・源頼朝に追われ、衣川の館で果てたはずの源義経。
しかし彼は生きていた。北へ逃れ、海を渡り、大陸の土を踏んだ。
宋を経て、辿り着いたのは極寒のモンゴル高原。
あれから四年。かつての貴公子は、風雪に晒され、泥にまみれながらも、異国の言葉を操り、しぶとく生き抜いていた。
胸に去来するのは、鎌倉への尽きせぬ恨み。
「いつか必ず、あの一族から全てを奪い返してやる」
その執念が、彼を突き動かす。
やがて彼は一族の長を決める争いに巻き込まれ、その天才的な軍才を再び開花させる。
名を「チンギス」と改め、バラバラだった騎馬民族を統一。
彼が作り上げた帝国は、息子たち、そして孫たちの手によって、西へ南へと爆発的に拡大していく。
そして数十年の後。
ユーラシア大陸の東半分を飲み込み、老いてなお、帝国の頂点に君臨し続ける義経(チンギス)の視線は、最期の標的である東の島国――日本へと向けられた。
これは、追放された英雄が、世界を征服して故郷を奪い返す、壮絶な復讐の叙事詩。