あらすじ
「その茶色く濁った『魔女の秘薬』を煮込むなど、言語道断! 追放だ!」
公爵令嬢マリアンヌは、出汁(だし)と醤油を愛するあまり、味音痴の婚約者(第二王子)に「呪いの薬を作っている」と勘違いされ、着の身着のままで国外追放されてしまう。
しかし、彼女にとってそれは絶望ではなく、念願の「自分の店」を持つチャンスだった!
名を変え、王都の裏路地にひっそりとオープンした『居酒屋マリー』。
そこで振る舞われるのは、前世の記憶を再現した「黄金色のエール」と「絶品の居酒屋メシ」。
「なんだこの茶色い揚げ物は……カリッ、ジュワッだと!? 肉汁が止まらん!」
「野菜しか食べないはずのエルフが、揚げ出し豆腐をおかわりしている……?」
噂を聞きつけたSランク冒険者や、頑固なドワーフ職人たちが、今夜も「実家より落ち着く」とカウンターに居座って帰ってくれない。
その中には、身分を隠した最強の「英雄王子(ガリウス)」の姿もあって――?
一方、マリーを追放した元婚約者と聖女は、冷たくて味のしない王宮料理に囲まれながら、次第に彼女の料理の価値(と、逃がした魚の大きさ)に気づき始める。
これは、料理バカの元令嬢が、最強の旦那様と一緒にお腹を空かせた人々を幸せにし、やがて国一番の「王室御用達」居酒屋を作り上げるまでの、美味しくて温かい物語。
※空腹時の閲覧にはご注意ください笑