あらすじ
未知の病と放射能が蔓延した地球。
人類は地下の核シェルターを避難施設とし、最後の時を心穏やかに迎えられるようにした。
科学者のレイチェル・チャンは、息子のダニエル・チャンと共に施設に入る。
余命を全うする場所として選ばれたこの施設には、人類の生き残りである五十人の病人が収容され、その世話は数体のアンドロイドが行なっている。
ダニエルの世話係になったアンドロイドのアリシアは、ダニエルの成長を見守る。
しかし彼が16歳になったときに母であるレイチェルが亡くなり、施設にいるのはダニエルとアリシアだけになる。
ダニエルはアリシアに母との思い出、幼少期の旅行で見た美しい景色、夏休み、学友たちの思い出を毎日語り、ダ二エルは亡くなる。
亡くなる直前、ダニエルはアリシアに頼んだ。施設を出て、誰か人類が生き残っていたらこの場所に連れてきてあげてくれ、と。
アリシアが地上に出るとそこは暴風雨で荒れ狂っていた。
地球の自浄作用が始まったのだ。
施設から離れると太陽電池で稼働するようになっていたアリシアは、充電が切れてその場に倒れる。
気が遠くなるほどの年月の末、アリシアが目を覚ましたとき、積もっていた雪は消え、空は青く、太陽が輝いていた。
どこまでも美しく広がる深い緑、花々、眩しい光。
人間の姿は見えないこの世界こそが、ダニエルがこがれた世界だったのだろうか…。