あらすじ
カベルネ侯爵家の美しいお嬢様、テーラにとってぶどう畑はかけがえのない場所だ。太陽を浴びるぶどう、土の匂い、風に揺れる葉の音。すべてが宝物。
実はテーラは、遠い世界からやってきた転生者だった。ソムリエとしてワインを愛したのは、両親がぶどう農園を営んでいたからその流れで。
だから、ぶどうにも深い愛情を注ぐとぶどう博士、なんて言って周りから随分と可愛がられた。
異世界では幼い頃からの婚約者、アシェル王太子と生まれる前からの関係らしい。彼はきらびやかな宮殿の生活を好み、ぶどう畑には見向きもしない。
「テーラ、いつまでそんな土まみれなんだ。ぶどうなんて、大したものではないだろう」
アシェルの冷たい言葉が、テーラの胸に刺さる。
前の世界で、ワインが喜びを与えていたことを知るテーラの作る異世界のぶどうだって、素晴らしいワインになるはず、なのに。なのに、アシェルにはそれがわからない。
教育レベルが大昔で止まってる人に言われたくないのですが?