あらすじ
中学時代、僕には忘れられない“親友”がいた。
名前は、夏目晃希。
ひょうきんで明るくて、なのに時々照れたように笑う。
そんな少年と過ごした三年間は、今も胸の奥で輝いている。
部活帰りに寄り道した田舎道。
影が並んで揺れた夕暮れ。
夏のプールで弾けた笑い声。
その全部が、僕の青春そのものだった。
けれど、三年生でクラスが離れてから、僕らは少しずつすれ違っていく。
声をかければ良かった。
本当はずっと、またふたりで帰りたかった。
——あれは友情だったのか。
それとも、名前のつけられない“感情”だったのか。
大人になり、家族を持ち、地元に戻ってきた今。
ふと開いた卒業アルバムに写る笑顔は、あの頃のままの晃希だった。
もし、いつかまた会えたなら。
そのときはちゃんと言えるだろうか。
**「あの季節は、今でも僕の宝物だ」**と。
淡くて、切なくて、少しだけ痛い。
大人になった“僕”が振り返る、
かけがえのない青春の物語。