あらすじ
西暦一六〇五年、琉球は国家存続の危機に瀕している。
戦国の世を経て江戸幕府を開いたアジア有数の武力大国、大和による軍事侵攻を控えていたからだ。
開戦すれば軍のない琉球の敗北は必至である。王府上層部は戦争を回避するため、「芸能外交」に活路を見出した。
白羽の矢が立ったのは八重山(石垣島)の孤児、真南風。幼くして両親を亡くし、伯母に馬車馬のように働かされている少女だ。彼女の生きがいは、踊ることだけ。
真南風は身分と性別を偽り、国家お抱えの踊り子集団『楽童子』に加入する。八重山の神の加護を一身に受け、戦乱を避けるべく琉球舞踊を武器に大和に挑む――。