あらすじ
クラスから『埃(ホコリ)』と呼ばれている俺、葛原彼方(くずはら・かなた)は、極度の虚弱体質のせいで毎秒三回は死んでいる。
心臓が止まる。蘇生する。また止まる。この繰り返しが俺の日常だ。
修学旅行のバス移動中、俺はいつも通り死んでいた。
だが、その瞬間、世界が裂けた。
どうやら俺の《蘇生》能力と、異世界からの「召喚魔法」が同じ次元の攻撃として中和し合ったらしい。
気づけば、クラス全員が見知らぬ王城の石畳の上に転がっていた。
転移の衝撃で俺は百回は死んだ。
周囲の環境の変化にも耐えきれず、さらに心停止を繰り返す。
ようやく立ち上がったところで、王の御前。
蘇生のたびに石畳が砕け、身体が浮遊する俺の姿は、傍目には無礼極まりない態度に映ったようだ。
クラスメイトたちは次々とチート能力に目覚め、歓声を上げている。
一方、俺のステータスは相変わらず「HP 0.0000000000001」のゴミクズで、職業欄は「エラー」。
魔術師からは「廃棄処分」を宣告され、クラスメイトからは嘲笑される。
そんな混乱の最中、突如として王城に巨大な魔獣が襲来した。
一撃でクラスメイトが血の海に沈み、パニックが広がる。
能力覚醒だの、勇者召喚だの、色々なことが起こりすぎて頭が痛い。
(どうやらこの世界でも、俺は安息という名の睡眠は取れなさそうだ)
仕方ない。
うるさい奴らを黙らせるために、また死ぬとするか――。