あらすじ
2014年2月、世界最大のビットコイン取引所「BitTrade」から、85万ビットコイン(当時約480億円)が消失した。強盗も金庫の破壊もない。ただ、デジタルの数字だけが神隠しにあったように消えていた。
28歳の天才ハッカー・三宮涼は、知人の真希から泣きつかれる。真希はBitTradeのシステムエンジニア。彼女が作り上げたシステムは完璧なはずだった。しかし、その「完璧」の隙間を、見えない怪物が食い荒らしていた。
涼は攻撃の手口を暴く。「トランザクション展性(Transaction Malleability)」。電子署名を少しだけ書き換え、TXIDを変更することで、システムに「送金失敗」と誤認させ、無限に引き出す詐欺。そして、コールドウォレットから自動補充され続けていた事実。
ブロックチェーンは嘘をつかない。金の流れを追跡し、地の果てまで追いかける。実話に基づく、仮想通貨取引所崩壊の真実を描く。