あらすじ
蒸し暑い7月の午後、大手Webホスティング会社「CyberSpace」の監視ルームで、アラート音が鳴り響いた。10台、50台、100台……サーバーが次々と「正常」から「異常」へと変わっていく。感染したWebサイトには、黒い背景に赤い文字で不気味なメッセージが表示されていた。それは、インターネットがまだ牧歌的だった時代を終わらせる、宣戦布告だった。
28歳のセキュリティ研究者・三宮涼は、セミナーで知り合った洋子から連絡を受ける。洋子はCyberSpaceのシステム管理者。Code Redワームの感染拡大に直面していた。
涼は攻撃の手口を解析する。バッファオーバーフロー。約3600バイトの巨大なデータを送りつけ、メモリを溢れさせ、サーバーの脳を乗っ取る。1人が2人に、2人が4人に……ネズミ算式に感染者は増え、インターネット全体を埋め尽くす。
NOPスレッドを検知し、感染の連鎖を断ち切る。涼は洋子と共に、デジタルの止血を行う。実話に基づく、古典的だが凶悪なワーム攻撃の物語。