あらすじ
銀河英雄伝説ファン・山下敦は、最終話を見届けた夜、気がつくと自由惑星同盟軍旗艦〈パトロクロス〉の医務室で目を覚ます。
しかもそこでは、あの“魔術師”候補――ヤン・ウェンリー准将が当たり前のように話しかけてきた。
名札に刻まれた名前は「ヤマシタ・アツシ」。ヤンの親友にして、第2艦隊戦術参謀補佐の少尉。
アスターテ会戦目前。
歴史を網羅したオタクとしての記憶と、この世界の士官としての経験が混ざり合う中、アツシは悟る。
このままでは、第4艦隊と第6艦隊は各個撃破され、第2艦隊は“奇跡の撤退戦”へと追い込まれる――
スクリーン越しに何度も眺めた「大敗北」が、今度は現実として迫っているのだ。
「史実通りの虐殺なんか、もう一回も見たない」
アツシはヤンと共に、帝国に現れつつある“若き天才指揮官”を仮定したレポートを作成し、
三個艦隊運用の再考と隊形の見直しを提言しようと動き出す。
オタクの考察と、歴史家ヤンの頭脳は、自由惑星同盟を「教科書通りの滅び」から救えるのか?
それとも、歴史をねじ曲げる代償が、別の悲劇を呼び寄せるのか?
銀河の運命に、たった一人の“歴史オタク”が全力で抗う、転生スペースオペラ開幕。