あらすじ
記憶や感情は概念ではなく、物質的なエネルギーとして世界を漂っている。生物が発した喜怒哀楽の感情は互いに響き合って無限に増幅され、生物が積み重ねた記憶は自他の境界を曖昧にして現実を上書きする。
多くの動物は「エコー」に耐えられずに滅亡し、強い自我を持つ人類と、感情に左右されない植物や昆虫、あるいは動物よりもそれらに近い単純構造の古代生物のみが細々と生き残っている世界。
人類は過去に自我を固定化してエコーから自身を守る術を確立し、文明を発展させたが、その発展により世界が持つ記憶と感情も肥大化し、反動で滅亡へ向かうこととなった。
滅亡直前の世界での大きな運命と小さな日常。オムニバス形式の短編集。