あらすじ
僕は『明晰夢』と呼ばれる夢を毎日見ていた。
明晰夢――つまり、夢を見ている人間が「これは夢だ」と自覚しながら見続ける夢のことだ。
そんな夢の中で、僕は一人の少女と出会う。いつも和服を着ていて、会うたびに髪型がころころと変わる少女に。
彼女は言った。「人と人との夢は繋がっている」と。
そんな言葉を信じたわけではないのに、いつの間にか僕は非現実の内側へと連れて行かれ、そこである惨劇を目撃することになる。
――
夏休み。それは学生である私たちにとって、夢と希望と堕落に満ちた素晴らしい期間のことを言う。
しかし、今年の夏休みはこれまでとは一風変わった幕開けとなった。
黒い尻尾。本来あるべき場所から切り落とされ、赤黒い切断面を外に見せる、黒猫の尻尾。
それの発見が、私と友人であるアリスの夏休みの始まりを告げる合図だった。
片足を何かに突っ込んだまま過ごす私たちは、大切な物を失うために、事件に巻き込まれていく。
―2014年7月27日 完結―