あらすじ

二〇二〇年、卒業式も入学式も簡素化された春。 中学生になったばかりの髙橋従一郎は、コロナ禍の退屈な日々を持て余していた。 放課後、公園で遊ぶのは「逆立ちサッカー鬼ごっこ」。 逆立ちしてサッカーボールを蹴り、逆立ちした鬼に邪魔されないようゴールを目指す、意味が分からないのにやたら体力だけは使う最新遊びだ。 そんなある日、従一郎は公園の端にあった古い石垣のそばで、足を滑らせて穴に落ちる。 お尻には、見たこともない謎の部品のようなものが刺さっていた。テレビで見たオーパーツのような、それでいて何だか不気味な金属片。 痛みは大したことがなかったので、従一郎はそれを穴の中に放り捨て、そのまま帰ろうとする。 ところが、帰り道ですれ違う人たちは、なぜか皆こわばった顔で彼を横目に見て、距離を取る。 家に帰って「ただいま」といつもの調子でふざけて声をかけると、お母さんは腰を抜かし、悲鳴を上げて逃げ出した。 玄関の鏡に映っていたのは、知らないおじさん。 しかしそのおじさんは、従一郎とまったく同じ動きをし、胸ポケットには「髙橋」と刺繍された学ランの名札が付いている。 見た目はどう見ても不審者なおじさん。 中身はふつうの中学生男子、髙橋従一郎。 なぜ自分だけがこんな姿になってしまったのか。 あの穴に落ちた時に拾ったオーパーツもどきは何だったのか。 そして、パトカーのサイレンが響く町で、彼はいったいどんな「事件」に巻き込まれていくのか。 日常の小さな違和感から始まる、ちょっと残念でちょっと切ない、青春コメディミステリー。 たった一つの真実も見抜けない、新時代の迷探偵ゴメンさんが、今日も走って逃げて転びながら、事件と日常にぶつかっていく。

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カクヨム
カクヨム2025/11/24
  • 現在の作品新・迷探偵ゴメンさん