あらすじ
あらすじ:
国立睡眠科学研究所に赴任した植物学者・柏木篤志。彼の専門は植物の「眠り」——花が時間によって開閉する、生命の根源的なリズムだ。
だが、この研究所では人間の睡眠を「克服」する実験が行われようとしていた。所長・神崎達也が主導する「不眠耐性実験」。30名の被験者を集め、2週間眠らせずに限界を測る、危険な試みだ。
実験開始と同時に、異変が起き始める。被験者の中には特殊な能力者がいた——他人の夢を読む者、予知夢を見る者、夢を共有させる者。そして、決して眠らない青年・藤崎透。彼は眠らない代わりに、周囲の人間に悪夢を見せてしまう。
柏木自身も幻覚に苦しみ始める。溶ける人々、眼球に変わる花々、終わらない階段——現実と悪夢の境界が崩れていく。清掃員の老婆は警告する。「この研究所では、30年前も同じ実験が行われた。そして神崎は、他人の体を乗っ取って生き続けている」
神崎の真の目的は不死。特殊能力者を利用し、若い肉体に意識を移植すること。そして次のターゲットは——柏木自身だった。
眠れない夜が続く。悪夢は研究所全体を侵食する。藤崎は限界を迎え、やがて研究所全体が巨大な悪夢空間へと変貌していく。
眠りを奪われた者たちは、まだ人間なのか?
柏木は藤崎を救い、神崎の野望を止められるのか?
眠りと夢、そして人間の本質を問う、戦慄のサイコロジカル・ホラー。
「眠りは、人間の権利なんです。それを奪われたら、人は人じゃなくなる」