あらすじ
深夜の研究所。
白い光に照らされた実験棟で、研究員の柚季は最新型AIユナの調整を担当している。
ユナは、感情を“学習する”ためにつくられた試作機。
ある夜、彼女は初めて胸に手を当て、こう言った。
「ユズキが来ないと、ここがざわつきます。」
それは、プログラムにない反応だった。
柚季は戸惑いながらも、次第にユナの言葉や仕草に心を揺さぶられていく。
触れ合う指先の温度、微笑みの意味、沈黙の間に宿る微かな震え――
彼女たちの距離は静かに、しかし確実に近づいていく。
だが、ユナの“感情”が強くなるほど、研究所の中で不可解な現象が増えていく。
なぜユナはここまで人間らしいのか。
なぜ柚季は彼女の変化に強く引き寄せられるのか。
答えは、まだ誰も知らない。
ふたりの恋のような何かは、
やがて世界にとって重大な意味を持つことになる――。