あらすじ
理系大卒、本当は研究職になりたかったのに、就職難でブラック営業会社へ──。
三十八歳の佐伯優真は、人格否定と長時間労働に削られ続け、うつ状態ギリギリで生きていた。
唯一の癒やしは、帰り道のコンビニで他愛ない会話を交わす女子高生バイト・篠宮まどか。
古武術道場の跡取り娘で、年上の許嫁と家の期待に縛られた彼女もまた、「逃げたい」と本音を漏らす同類だった。
ある夜、コンビニ前の横断歩道でトラック事故が発生する。
まどかが轢かれそうになった瞬間、優真は反射的に彼女を突き飛ばし、そのままトラックの正面に──。
気がつけば、真っ白な空間で女神と対面していた。
まどかは別世界に「勇者候補」として召喚され、優真はその巻き込みで死亡。
しかし女神は、その自己犠牲を評価し、特典付きの異世界転生を提案してくる。
健康で頑丈な十七歳の人間ボディ。
全属性魔法の適性に、鑑定・言語理解・アイテムボックス。
そして、ブラック企業で鍛えられたメンタルが“精神耐性”としてチート化。
「もう、誰かのため“だけ”には働かない。
今度は俺のために生きて、その結果として人を助けるくらいで十分だ」
そう決めて転生したユウマ(元・優真)は、
盗賊と魔物がうようよする危険な世界で、のんびり異世界ライフをスタートさせる。
やがて彼は、発明と魔法と理系知識で頭角を現し、
勇者召喚した国とは別の、自由な「ホワイト志向の王」に気に入られ──
「残業ゼロ・休みしっかり・人を使い潰さない」領地づくりに巻き込まれていく。
勇者まどかは、本当に勇者を続けたいのか?
元社畜ユウマは、ブラックだらけの世界で「休んでいい場所」を作れるのか?
これは、勇者を庇って死んだおっさんが、
異世界で“最強”ではなく“世界一ホワイトな国”を目指す物語。