あらすじ

高嶺隼人(たかみねはやと)は、芸歴九年目の筋肉芸人。相方とのコンビ「マッスル☆ボンバー」で、ついに『キング・オブ・マンザイ』準々決勝を目前に控え、人気ブレイクの兆しを感じていた。そんな絶好調の舞台での最終調整中――天井から落ちてきた舞台照明によって、彼の人生は一変する。 次に目覚めたのは、ボサボサ頭で無精ヒゲを生やした、いかにも疲れたサラリーマンのお父さん然とした男が座る、大学教授の研究室のような小部屋。男はスマホゲームから目を離さず、「異世界で異変が起きてる。調べてこい。以上」と一言。なんと、彼こそが神だった。 抗議も虚しく、隼人は有無を言わさず草原のど真ん中へ転移させられる。そこで出会ったのは、手のひらサイズの浮遊生物。従属天使セラと名乗る彼女は、隼人の付き人として派遣されたという。セラ曰く、神の気まぐれで隼人には筋力カンストの最強の肉体と、なぜか回復魔法の能力が付与されているらしい。元の世界に戻るには、神の命令に従い、異変を解決するしかない。 ひとまず街へ向かうも、隼人は無一文。安定した収入を求め、回復魔法の能力を頼りに街の教会へ飛び込み、僧侶として働くことを決意する。しかし、彼の回復魔法は呪文も魔方陣も出ない**「手が光るだけ」の最弱レベル。しかも、無宗教で無頓着な隼人は、厳格な教義の教会で毎日怒鳴られ続け、ついに秒速で破門**されてしまう。 路頭に迷い、次の街ティクルーナを目指して森をさまよう隼人は、空腹に耐えかねた夜、偶然アーサー、メリル、フィオナの三人組の冒険者パーティーと出会う。長身で爽やかな大剣使いのリーダー・アーサー、元気いっぱいの武闘家・メリル、華奢で無口な精霊魔法使い・フィオナ。彼らは隼人の事情を理解し、寝床と食事を提供してくれる。 翌日、彼らの荷物持ちとしてコボルド討伐に同行した隼人は、危機一髪の場面で襲いかかってきたコボルドに対し、無意識に力を込めた腕の筋肉でコボルドを“ぺしゃんこ”に潰してしまう。「筋力カンスト」の凄まじさを自覚した隼人は、アーサーから「最低限の回復魔法と最強の肉体を持つハヤトさんは、俺たちに必要だ」と熱烈な勧誘を受ける。 乗り気ではないまま、隼人は彼らの拠点である商業都市ティクルーナへ。賑やかすぎる街の冒険者ギルドで、大スポンサーの息子・ロアからの迷い猫「モコ」探しの依頼を受けることになってしまう。ロアの悲しそうな顔に胸を痛めた隼人は、元芸人として培った「ペット探偵の知識」を活かし、必死に捜索を続ける。 しかし、モコはなかなか見つからない。捜索が難航する中、メリルはモコを心から案じるあまり、感情の爆発によって生体魔法『仲間感知』を習得。その魔法が示す場所は、街の最奥にあるスラム地区だった。 深夜のスラムに突入した隼人たちを待ち受けていたのは、猫を誘拐したメリルの実の弟・ルカ。ルカは鉄の精霊魔法を操る危険な少年になっていた。アーサーたちではルカの高速の鉄刃を止められない。絶体絶命のピンチに、隼人はとうとう神に与えられた力を解放する。ルカの無数の鉄の刃は、隼人が**身体に力を込めて作った「筋肉の鎧」**によって全て弾き返され、ルカは呆然。その隙にアーサーによって拘束される。 こうしてモコを救出し、強盗団の一味だったルカたちを捕らえた隼人は、街の英雄として感謝されるが、相変わらず冒険者になることには後ろ向きだ。元の世界に戻るという目的と、この世界の異変の謎。そして彼の最強の筋肉と最弱の回復魔法というギャップは、この世界でどのような運命をたどるのか。「3、2、1、マッスルゥーーーー!!!」……異世界に響く、筋肉芸人の新たな伝説が、いま幕を開ける!

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カクヨム
カクヨム2025/11/24
  • 現在の作品脳筋僧侶の異世界無双録 〜神さま、なぜ僕を僧侶にしたの?〜