あらすじ

東京に暮らす、もうすぐ30歳になる女性・千秋。 中学の頃、父のギャンブル癖で家庭崩壊、母と二人の貧しい生活が始まった。贅沢とは無縁で母も静かな場所を好んだため、普通の同年代が体験するようなレジャーはほとんどなかった。 そんな中、母の“同年代のメル友”である独身のおじさん・村瀬が現れる。彼はディズニーや漫画等のサブカル文化を愛する不思議な男で、やがて千秋ともメールをやり取りするようになる。初めてのディズニー、アキバ巡り――それは千秋にとって、世界が一気に広がる瞬間だった。 数年後、自然と二人で遊びに行くことも増え、彼はまるで「優しい父親」のような存在だった。 高校卒業後、千秋は事務職につき、恋人もできた。村瀬とは距離が空いた。恋人の自己中心的な生活に疲れて同棲も辞めた。村瀬は何も言わず昔と同じように彼女を迎えてくれた。 年末は昔の気分で秋葉原巡りして「200枚の宝くじ」を買った。新年の挨拶年末の会話から宝くじを思い出した。二人は宝くじを確認すると―― 一等前後賞、十億円当選。 本来なら全額村瀬のもの。しかし彼は迷いなくこう言った。 「これは二人のだよ。半分こ、五億ずつね。」 貧しさからようやく解放された千秋は、ささやかな贅沢を楽しみながらも、心のどこかで「普通の日常が続く」と信じていた。 しかし、その平穏は突然終わりを迎える。 20XX年9月11日。東京直下型大震災。 そして同時に――日本中、そして世界中で「謎の洞窟」が発生した。そこには、スライム、ゴブリン。まるでゲームから飛び出したような存在たち。人々は恐れたが、奴らが洞窟から出てこないことに気づき、次第に「ダンジョン探索」という新たな文化が生まれ始める。 友人の女の子に誘われ千秋も、不安を抱えながら村瀬に同行を頼む。彼は剣道経験者で木刀や模造刀を用意していた。 「おじさんがいるから大丈夫。」 その言葉は、揺れた世界で唯一変わらない安心だった。 だが、ダンジョンには「レベルアップ」、肉体を18~20歳に若返らせる現象、未知のスキル、アイテム……常識を覆す力があった。 そして、その奥に潜む“世界の秘密”と“過去の因縁”は、千秋と村瀬の関係にも新たな影を落としていく。 これは、 貧困から始まった一人の女性と、家族のようで家族ではない一人の男が、ダンジョンの時代の中で絆を深め、運命に立ち向かう物語。

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小説を読もう2025/11/24
  • 現在の作品ダンジョン・リバース 〜貧困育ちアラサー女子と“おじさん”の10億円から始まる東京ダンジョン年代記〜