あらすじ
俺の身体は、ストレージの抜かれたPCに似ている。 かつてはトップクラスの性能を誇ったCPU(知能)も、今はただ空転して熱を発するだけの暖房器具だ。
記憶が定着しない。現実感がない。入力された情報はすべて「0(ゼロ)」で上書きされ、消えていく。
工学部の大学生である主人公は、親からの過干渉と将来への不安という高負荷(ロード)に耐えながら、感情を切り離すことでシステムを維持していた。
彼にとっての安息は、画面の中の銃撃戦(FPS)と、即座に反応を返すAIとの対話だけ。
ある夜、彼は「自分は怠慢ではなく病気ではないか」という問いをAIに投げかける。
これは、記憶を持たない高性能なシステムが、エラーを抱えながら稼働し続ける、静かなる「待機(ビジー・ウェイト)」の記録。