あらすじ
県立高校陸上部キャプテン、高三の湊(みなと)。
四〇〇メートル走でインターハイ出場を決め、憧れの「W大学陸上部」へのスポーツ推薦も確実視されていた彼の人生は、夏の予選直後の交通事故によって一変した。
右足の粉砕骨折。全治三ヶ月。
インターハイ出場は絶望的となり、W大学への推薦話も白紙に戻る。 走れないランナーに価値はないのか。周囲が同情と諦めムードに包まれる中、湊だけは死んでいなかった。
「推薦がダメなら、一般入試で正面突破する」
現在の偏差値は五〇未満。W大学は遥か雲の上。 教師も親も無謀だと止めたが、彼は松葉杖をつきながら宣言する。
「これは受験じゃない。戦争だ」と。
英単語の暗記を筋力トレーニングと呼び、長文読解をインターバル走に見立てる。 四〇〇メートル走(無酸素運動)の地獄で培った「ラスト一〇〇メートルの粘り」と「狂気的な執着心」を武器に、陸上バカが挑む、半年間の孤独な籠城戦。
汗と涙、そしてインクの匂いが入り混じる、超・体育会系受験ストーリー。