あらすじ
秋葉原のゲームショップ。
俺――御影悠真は、最悪の任務の真っ最中だった。
妹に頼まれたエロゲ
『純愛プリンセスは闇落ちして兄を召喚したい!』
(通称:闇兄)
を手に取り、誰にも見られずレジへ直行する……はずだった。
──その瞬間。
「悠真くん?……わあ、本当に悠真くんだ!
ね、何買ったの?」
大学の花・灯乃ゆらに見られた。
よりによってレジの上には、店員がバーコードを通しやすいよう
タイトルが表向きになった『闇兄』。
「……闇落ちして、お兄ちゃんを……召喚……?」
ゆらはぽっと頬を赤らめ、
まるで本編のあの天然シーンそのままに、上目遣いで言う。
「ゆ、悠真くん……召喚、されたいの……?
よ、よかったら……儀式、手伝おうか?」
……やめてくれ。誤解が限界突破してる。
しかし、その誤解を破壊的加速で増幅させる存在がいた。
「兄よォォォォォッ!!!!」
ドアを爆音レベルで開け放ち、
外面清楚モデル・中身は暗黒の混沌、御影叶羽が降臨。
右腕で左目を覆い、天を仰ぐ「邪気眼」ポーズ。
「見つけたぞ我が半身(ブラザー)!
その禁断魔導書(グリモワール)……
ついに兄を“異界の恋愛覇王”へ導く時が来たのだな!!」
「黙れ!!エロゲはエロゲだ!!」
叶羽はさらにゆらの手をがっちり握りしめ、
モデル仕込みの観察眼で彼女をスキャンした後――
「そなた……兄の第一正妃か?」
「へっ!?せ、正妃……わ、わたし……?」
ゆらは耳まで真っ赤。
なぜか満更でもなさそうなのが本当に怖い。
そして叶羽は店員にまで宣戦布告する。
「店主よ!このレジは兄が覇王へ至る“凱旋門”!
開けよ運命の門(ゲート)!!代価(マネー)はここにある!」
完全停止する店内。崩壊する俺の社会的信用。
こうして――
叶羽の妄言×暴走×中二病が、
ゆらの恋心(?)を強制覚醒させることになる。
俺の平凡な大学生活は、
愛とカオスと中二病が同時多発する地獄のラブコメへと変わった。