あらすじ
俺の城であり、最期の場所となった、ボロボロのダンボールハウス。
「……寒いな」
口から漏れるのは、かろうじて息をしている証拠のような白い煙だけだった。外は11月の底冷えする夜。最後の貯金は一週間前に底をつき、もう数日、何も口にしていない。飢えよりも、身体中を蝕む凍えるような寒さと、そして何よりも孤独感が、俺の意識を闇へと引きずり込んでいた。
42歳。定職もなく、家族もなく、友人すらいない。社会のセーフティネットからもこぼれ落ちた、完璧な孤独死予備軍。
(ああ、人生って、こんなにあっけなく終わるもんなんだな……)
瞼が重い。最後に見たのは、ダンボールのわずかな隙間から見える、冷たい月の光だった。誰に看取られることもなく、何の足跡も残さず、俺の人生はひっそりと幕を閉じた。
奇跡の転生
次に意識が浮上した時、俺は柔らかな光に包まれていた。
「哀れな魂よ」
声は、直接、俺の意識に響いてきた。
「お前の孤独な死は、我々の領域で感知された。お前には、人間としての最後の**欲望(エゴ)を捨て去り、純粋な使命(ミッション)**に生きる意志がある。そうだな?」
俺は意思の塊のまま、強く思った。
――はい。二度と、あの孤独を味わいたくない。誰かの役に立ちたい。ただ、それだけです。
孤独に生きた者にとって、自分の存在意義を問われることこそが、最高の救済だった。
「よかろう。お前に、新しい生を与える」
光の存在は、少しだけ、笑ったように感じられた。
「お前が転生するのは、ある秘密結社の末端の兵士だ。人間的な感情や欲求は、全て消去される。存在するは、ただ**『使命』と、その遂行に必要な『能力』**のみ。それでも、構わないか?」
――構いません。
「結社の名は、ショッカー。任務は、日本を救うことだ。イーッヒッヒッヒ!」
最後の言葉は、なぜか悪の親玉のような高笑いだったが、俺には何の疑問も湧かなかった。ただ、「日本を救う」という言葉が、純粋な使命感として、魂に焼き付けられた。
光は強烈な白から、不気味な黒と赤の光へと変貌した。
戦闘員、覚醒。ショッカー戦闘員が日本の問題を解決して世界一豊かな国に生まれ変わる!物語。