あらすじ

雪深い森に、棘のないヤマアラシ・ハリーがいた。 他の子たちは棘で身を守り、寒い夜は寄り添って暖を取る。 でもハリーは近づくたび棘に刺され、自分だけが傷つき、血を流す。 「近づくと痛い、離れると凍える」——それがヤマアラシのジレンマだった。 ハリーは棘がないことで困っていた。 ハリーは次第に群れから遠ざかり、一人で冬を越そうとした。 けれど吹雪の夜、凍え死にそうになったところを、親友のトゲが命がけで抱きしめて救う。 トゲもまた、ハリーを守るために自分の体を傷だらけにした。 翌朝、トゲは木の枝や松ぼっくりを削り、小さな棘を作ってハリーの背中に貼りつけた。 棘を手に入れたハリーは、初めて対等に寄り添えるようになった。 近すぎると痛い。遠すぎると寒い。 だから二人は、ちょうどいい距離を探し続ける。 傷つくことを恐れていたハリーは気づく 完璧に傷つかない関係なんてない。 それでも、傷つきながら温め合える距離が、確かに存在する。 棘があってもなくても、大切なのは 「そばにいたい」と願う気持ちと、それを貫く勇気だけ。 春が来て棘は抜け落ちても、二人はもう離れない。

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小説を読もう2025/11/23
  • 現在の作品棘のないヤマアラシ