あらすじ
異世界にある王国《フェルディア王国》。
穏やかな風が石畳を撫で、王都には人々の笑い声が絶えない。
この国で、四人の少年たちは変わらぬ日々を過ごしていた。胸の奥に残る痛みは、まだ完全には癒えていない。
それでも互いの存在と、そばで見守ってくれる大人たちがその傷をそっと包み込んでくれる。
だから今は、安心できる毎日をまっすぐに生きていける。
王都の賑わい、季節ごとの祭りや街角で起こるちょっとした騒動、小さな事件。
思いがけず巻き込まれる出来事もあるけれど、それらは日常を壊すものではなく、むしろ彼らの心に静かな変化をもたらす“波紋”のようなものだった。
過去を語り合う必要はない。
ただ、一緒に笑い、歩き、時々立ち止まる。そのかけがえのない時間こそが、彼らをそっと前へ押し出してくれる。
――これは戦いが中心ではなければ、使命に追われる物語でもない。
穏やかな王国の暮らしの中で、ゆっくりと自分自身を取り戻していく四人の少年達の優しく、あたたかな群像劇である。