あらすじ
「――異世界労務局は、魔王にも『今日ここまで』と言わせられるのか?」
王立労務局の監察官レオン・グラハムは、
十日間ぶっ通しで続く総力戦の「勤務表」を黒板に描き直し、
前線から勇者までを残業地獄から救い出した「板の人」だ。
次に彼らに投げ込まれたのは、
世界最強にして世界一ブラックな労働者――魔王陛下。
継ぎ目を支える朝夕の大儀式、
山のような決裁書類、
夜は「随時呼び出し可」、
まともな食事は「時間があれば」。
「倒すんじゃなくて、働き方を変えに行くんですか?」
「勇者庁も、闇の兵站局も、まとめて板の前に並んでもらう」
光と闇、勇者と魔王、王と長屋の住人まで巻き込みながら、
レオンたちは『魔王勤務表』という前代未聞の板を立ち上げる。
これは――
誰かひとりの「覚悟」に世界を乗せるのをやめて、
「今日ここまで」と言える一日を、
魔王にも、王にも、名もなき誰かにも取り戻していく物語。
世界は今日も、ほんの少しだけマシになる。
板の前で、小さくチョークが走るかぎり。