あらすじ
ブラック企業でログとバグと理不尽をひたすら整理し続けてきた社畜・相川悠真は、
過労死の末、「職業」によってすべてが決まる異世界へと転生した。
勇者・聖騎士・大賢者――
花形職業が崇められるその世界で、悠真に与えられた天職は、
【アイテム整理士】。
説明にあるのは「倉庫管理と荷物の分類が得意になる底辺職」の一文だけ。
王都からはあっさり「迷宮都市送り」とされ、戦力としては誰からも期待されない。
だが、この職業のスキル【簡易整理】は、
本人の前世の経験と組み合わさったとき、誰も想像していなかった姿を見せ始める。
視界に浮かぶ、世界を構成する"ラベル"。
武器の状態、魔物の特徴、罠の気配、物資の流れ――
本来「雑用」で終わるはずの整理能力が、迷宮と冒険者ギルドの中で少しずつ異彩を放っていく。
カオスなギルド倉庫を一日で「使える在庫」に変え
迷宮一階層の戦闘で、敵や罠の情報を味方に伝えて生存率を上げ
同じ底辺職たちと組んだパーティで、地道な依頼を着実にこなしていく
「戦えないはずの底辺職」が、
迷宮都市で少しずつ評価を変えられていく中――
悠真はこの世界の「職業」と「迷宮」に、妙な違和感を抱き始める。
なぜ、底辺職は一括で迷宮都市に送られるのか。
なぜ、職業ごとに世界との繋がり方が違うのか。
そして、なぜ自分だけが“世界のラベル”を見て、並び替えられるのか。
それは、迷宮の深部と街の“裏側”に隠された、とある仕組みと密接に繋がっていた。
やがて、倉庫と迷宮入口だけだったはずの仕事は、
冒険者ギルド、街の治安、盗賊、そしてさらにその奥へ――
底辺職アイテム整理士が、「整理」だけを武器に、
迷宮都市と世界のルールへと少しずつ踏み込んでいく物語が、今始まる。
――戦うのは、剣と魔法だけじゃない。
世界の“並び”そのものを変える整理屋が、一人いればいい。