あらすじ
【3行あらすじ】
人が抱えきれない悲しみが「宝石」として結晶化する世界。
感情を研磨し、悲しみを美しい思い出に変える職人のもとに、決して輝かない「濁った石」を持った少女が訪れる。
【あらすじ】
海に沈む夕陽のような色をした街「玻璃(はり)の都」。この世界では、人が深い絶望や別れを経験した時、その涙や吐息が物理的な鉱石「心結晶(クオリア)」となって体外へ零れ落ちる。
主人公のアルトは、鋭利で人を傷つけるその原石を削り、誰もが羨む美しい宝石へと変える「感情研磨師」だ。ある雨の日、彼の工房に一人の少女・ミナが訪れる。彼女が差し出したのは、泥のように濁り、光を通さない醜い石だった。「これを、捨てられるように綺麗にしてください」。
しかし、研磨盤に当てた瞬間、アルトは気づく。その石が濁っているのは、悲しみのせいではないことに。これは、あまりにも純粋すぎる「愛」と「感謝」が、行き場をなくして凝固したものだったのだ。