あらすじ
地球を救え。人類を救え。――戦え。
記憶を失い、深い森をさまよっていた僕は、世界的な資産家であるアリス様に保護された。ところが、なぜか女性だと勘違いされ、彼女のお屋敷で住み込みのメイドとして働くことになってしまった。
いろいろと気苦労は多いけれど思いのほか平和で豊かな毎日。
でも、その日常は脆くも崩れ去る。アリス様が呼び寄せた装甲車に乗せられ、連れて来られたのは軍事基地。メイドの僕に対して真剣な眼差しで敬礼する屈強な軍人たち。明かされる世界の危機と、倒すべき敵の存在。
そしてアリス様は僕に言った。人類を救え。地球を救え、と。
だけどちょっと待ってほしい。僕は男なのだ。メイドである前に男なのだ。その容姿が、どれほど可愛らしいものであったとしても僕は男で、恩人を騙し続ける最低最悪な女装野郎なのだ。
その現実だけは、たとえ山が動いて、地表がめくれ上がって、世界が滅びようと覆しようがなかった。