あらすじ
★ 現在第1章完結まで予約投稿済み ★
南の島の一角で、高層ビル群へと発展した街と、
静かな海辺のまま時がゆっくり流れる島が向かい合っている——
そんな世界の片隅に、海岸沿いにひっそりと佇む看板のない喫茶店がある。
真空管アンプが淡い橙色の灯りをともし、レコードの針が落ちるたび、店内には海風と混じる柔らかな音が満ちていく。
この店を訪れるのは、誰もが“人生の節目にいる人たち”。
激務に押し流されていたCA。
未来と恋の狭間でもがく高校生。
妹を失い、世界が灰色に見えていた青年。
笑いの裏に深い傷を抱えた中年。
眠れぬ夜を漂う女性。
自由を得たことで迷子になったサーファー。
雨の日の再会を信じ続ける若者——。
彼らはそれぞれ、自分だけの物語を胸に抱えながら、偶然のようで必然のように、この喫茶店の扉を開く。
店主は悩みを解決しない。
ただコーヒーを淹れ、音楽を選び、
その人が再び歩き始めるための“ほんの一呼吸”を渡すだけ。
夏の強い風から、雨に濡れた秋、
静かな冬の夜へと季節が移り変わる中で、
小さな人生の断片が重なり、ひとつの物語になっていく。
海と音楽がそっと心を照らす、
シティポップ風・海辺のオムニバスストーリー。