あらすじ
宇多朝中期から醍醐朝初期にかけての出来事を、藤原時平の視点から書きました。
親しかった道真を追わねばならなかった辛さ、疎遠になっていた恋人・伊勢との再会の喜び。しかし、すでに体は病魔に蝕まれていると知った男が、最後の事業として「古今和歌集」を決意します。
登場人物を整理します。ネタバレあり。
・私=藤原時平=本院大臣(ほんいんのおとど)回想の中では中納言・大納言・左大臣と進み、この晩では左大臣兼左大将。父は藤原基経=堀河大臣(ほりかわのおとど)。正室は廉子女王、側室が源融の孫娘
・女=伊勢御息所(いせのみやすどころ)=歌人の伊勢。古今和歌集には20首。時平の妹の温子の女房。宇多天皇の皇子を産み、伊勢御息所と呼ばれる。何度か引っ越し二条にも住んでいたらしい
・員外帥(いんがいのそち)=太宰員外帥=かの人=菅家=菅原道真。讒言にあい、太宰府に流される(昌泰の変)
・法皇=宇多法皇。寛平の帝
・当今=帝=醍醐天皇。宇多法皇の第一皇子
・陽成の上皇=陽成院。宇多法皇はもともと陽成院の侍従。陽成天皇譲位後、宇多の父・光孝天皇が即位。光孝天皇没後宇多天皇即位
・皇太夫人(こうたいぶにん)=温子=七条后。宇多法皇の中宮で醍醐天皇の養母。時平の異母妹
・皇太后=宇多法皇生母=洞院后=班子女王。穏子入内に反対した
・穏子=時平の同母妹。この晩は女御。後に皇后
・仲平=藤原仲平。時平のすぐ下の同母弟。伊勢の初めの恋人。昌泰の変では蔵人中将。この晩では頭中将
・忠平=藤原忠平。時平の一番下の同母弟。弁侍従。妻は宇多法皇の皇女・菅原の君(道真の血縁)
・河原大臣(かわらのおとど)=源融。嵯峨天皇の皇子で臣下して、宇多朝の左大臣→没
・河原大臣の子ら=源湛・源昇。昌泰の変時点で二人とも参議
・西三条の源大納言=西三条右大臣=源光。仁明天皇の皇子で臣下した。道真左遷後に右大臣
・帝の叔父の中納言=藤原定国。醍醐天皇の生母胤子の弟。昌泰の変で中納言。道真左遷後に右大将
・伯父=藤の中納言=藤の大納言=藤原國経。基経の兄。昌泰の変では中納言、この晩では大納言
・藤の大納言の北の方=本院の北の方=在原棟梁の娘(在原業平の孫娘)
・紀長谷雄。道真と親しかった。この晩では参議
・紀貫之。古今和歌集の選者の一人
・紀友則。古今和歌集の選者の一人