あらすじ
ある朝、主人公は自分が“死んでしまった”ことを静かに悟る。
目の前には実家のリビング、色を失った家族の姿、そして俯いて声を失った恋人・えり。
自分の存在だけが、この世界から微妙に外れてしまっていることを、
淡く、しかし確実に感じ取る。
触れようとしても触れられず、話しかけようとしても届かない。
かつての日常が、距離と靄を伴って広がる中、
主人公は自らの死因や後悔と向き合っていく。
やがて夢から覚めたとき、胸に残っていたのは、
“自分の身体への謝罪”と“愛する人をひとりにしてしまう痛み”だった。
死後の視点から描かれた、
喪失と後悔、そしてかすかな愛情の物語。