あらすじ
登山中、ヒグマに襲われた親友・悠人を見捨ててしまった志田陸。
三週間後、彼の自宅物置に現れたのは、クマの姿でありながら人間の知性を残す悠人だった。親友を見捨てた罪の意識と、悠人を救う義務感から、陸は彼を匿うことを決意する。しかし、それは同時に「いつか殺す覚悟」を意味していた。
裏切りの爪痕を負った右手に登山ナイフを握る夜。猟友会の監視、親友の妻との愛憎、そして満月が呼ぶ変身の苦痛。呪いの伝播の中で、陸は親友の魂を救えるのか、それとも親友の最後の願いを叶えるのか、究極の決断を迫られる――。
友情、裏切り、そして獣性と人間性の間で揺れ動く家族を描くダークファンタジー。戦いは終わらない。