あらすじ

幼馴染の境界線

君の笑顔を
一番近くで見てきたはずなのに
ある日突然
その距離が、遠く感じた。

名前を知らない気持ちが
胸の奥で暴れだす。

手を伸ばせば届く距離。
でも、
踏み込んだら戻れない場所。

その境界線の上で
私は息を潜めていた。

君は無邪気に笑う。
何も知らない顔で
私の心を揺らす。

「幼馴染」
——その言葉は
便利な盾で
残酷な鎖。

言えば壊れるかもしれない。
言わなければ
私が壊れる。

どうして?
どうして同じ時間を過ごしたのに、
君は平気で
私の知らない世界に歩いていくの。

私の心が
君に追いつく前に
君の未来が
遠くなっていくのが怖い。

もしもあの日
手を繋いでいたら。
もしもあの瞬間
勇気を出せていたら。

境界線の向こう側に
今頃、私はいたのかな。

でもね、
一つだけわかったことがある。

幼馴染だからじゃなく、
君だから——
こんなに苦しい。

もし、いつか言える日が来たら
そのときは笑って言うよ。

「君と幼馴染なのも嬉しいけど、
 君の恋人でいたかったんだって。」

雪が溶けて
春が来るように――

心の境界線だって
きっと越えられる。

それを信じて、
今日も隣を歩く。

君に、まだ届かない距離で。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
アルファポリス
アルファポリス2025/11/21
  • 現在の作品幼馴染の境界線