あらすじ
人類が機械へと作り替えられる時代。
国家間の戦争はすでに消え、代わりに“闘技者”同士の一対一がすべてを決める世界となった。
機械化率こそが戦力であり、闘技者の身体は国家の技術力そのものだ。
ネオジャパン最大の闘技舞台――ネオ日本武道館。
そこに集うのは、各国の威信を背負う強化闘士たち。
排熱を噴き上げ、金属を軋ませ、己の機構を誇示する怪物たち。
その中に、ただひとり〈異物〉がいた。
外装なし。
仕様不明。
出自不明。
名乗らず、語らず、ただ競技台に立つ黒衣の男。
一次選抜第一試合。
油臭い外骨格を纏った巨漢闘士ゲルレンが襲いかかる。
だが、次の瞬間、場内の空気が変わる。
理由を言語化できない“異相”がそこにあった。
この世界の常識では説明できない何かが、確かに彼の拳の奥に潜んでいる。
機械の時代に生まれ落ちた、二つの“異相”。
その交差が、やがて世界の均衡を揺さぶっていく。