あらすじ
海の群青が呪いのように絡みつく町で、親友は首を吊り、姉は突然の事故で消えた。「大切な人が死んだら、自殺しなければいけません」——中原中也の詩を体現するかのような死が続く中、俺の周りにだけ青い線が蠢く。それは亡魂か、それとも海神の眼か。霊能者を一蹴し、幼馴染の宗教勧誘を蹴散らし、死を偽装した少女と再会したとき、ようやく真相が動き出す。神に仕える家系に生まれながら神を信じない俺は、親友を、姉を奪った「海神」を殺すことができるのか。夏の蝉の声とタバコの煙が混じる、儚くも苛烈な復讐劇。信仰と裏切り、愛と虚無が交錯するダーク・ミステリー。