あらすじ
広大な宇宙に、ぽつねんと浮かぶ、月ほどの大きさの球体型宇宙ステーション。
外殻には無数の光が脈打ち、規則正しく瞬きを繰り返している。その中心部には、銀河系すべての叡智を結集して造られた巨大コンピューターが鎮座していた。
いや、このステーションそのものが、ひとつのコンピューターなのだ。人類はついに、最高のAIを完成させたのである。
制御室で、開発主任の男は硬い表情でマイクの前に立っていた。緊張を紛らわせるように咳払いし、主任はモニターに恭しく頭を下げた。
「えー、この映像をご覧になっている、宇宙中の皆様――」